やまぐちのiphoneその後
自らの不注意でi phoneとお別れすることになった翌朝。
ご丁寧なことに犯人からメールが来た。
「で、朝になったけど、取りに来るの?」
うーん。携帯返してほしいけど、やっぱ家まで行くのは怖いなあ…と思い、情に訴えてみた。
山「私、日本から来た旅行者なんやけど、携帯なくてほんまに困ってるねん。返してくれへん?」
犯「だから取りに来たらいいやん」
山「けどな、家とか怖いねん。危ないもん。どっか違う店にしいひん?」
犯「いやいや、朝やで?」
というこの流れの中で、ふと思ったことがあります。
この人、本当は携帯を返したいんじゃ…?
なんというか、ここはアメリカ。
拾ったものをわざわざ「無償で返す」という概念自体がこの人にはないのかも。
ってお金要求してる時点で明らかに犯罪なんですけどね!!!
でも、色んな人がいるアメリカ。
この人この方法しか知らないのかもと思ったのです。
それに、朝9時。
この勘を信じて取りに行くことにしました。
さすがにもうみんなを振り回せないので、一人で行くつもりだったのですが、むらおかが一緒に来てくれました。
ありがとうむらおか。。。
「30分後に行くから【家の外で一人で】待ってて」と連絡をし、車を走らせました。
家から少し離れたところで車を止め、犯人に連絡。
すると、半裸に寝間着の男が出てきた。
銃は持ってなさそう。
万が一何かあったらクラクションを鳴らしまくるようにと言い、ここもむらおかが行ってくれました。
むらおかほんとにありがとう。
サイドミラー越しにその様子を見て、涙が出てきました。
ん?
んんん?
むらおか、犯人と握手してるやーん。
150ドル要求しといていい人もくそもないけど、やっぱり、すごく悪いやつではなかった気がする。
しかもあとで「thank you」ってメールも来た。
何はともあれ、むらおかが車に戻ってきて、二人でちょっと泣きました。
なんかいい話のようになってしまいましたが、海外で携帯を忘れるという失態はもちろん、違法だと分かっていてお金を払ったこと、これは決してあってはいけないことだと思っています。
ただ、警察が相手にしてくれない以上、これ以外の方法も思いつきませんでした。
「結果的に」何もなかったので本当によかったです。
こんな経験までして、もうぜっっったいに忘れ物はしない!!!はずです。
これが最後の忘れ物です。
アリゾナのモーテルにビーサン忘れてきた……
むらおかにはまだ秘密です。
やまぐち